通信大学は簡単?卒業が難しいと言われる理由と続けるコツ

通信大学は簡単なのか、卒業が難しいと言われる理由と続けるコツを紹介する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が文部科学省・厚生労働省などの公的機関と各大学の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。学費・入学時期・課程の内容は年度によって変わるため、最新の情報は各大学の公式サイトで確認してください。

『通信大学って簡単に入れるらしいけど、卒業は難しいとも聞く。どっちが本当なの?』と迷っている方も多いはずです。

結論から言うと、通信大学は入学は簡単ですが、卒業は自分で124単位を積み上げる必要があるぶん、続ける工夫が要ります。難しいのは勉強の中身より、ひとりで続ける仕組みのほうなんです。

この記事を読むと、簡単と言われる理由と難しいと言われる理由の両方と、最後まで続けるための計画の立て方が分かります。

目次

通信大学は簡単?入学と卒業で答えが変わる

先に結論

入学は筆記試験がなく、原則として書類選考なので簡単と言えます。一方、卒業には通学の大学と同じ124単位以上が必要で、ここは簡単とは言えません。

ここでいう通信大学は、大学の通信教育課程のことで、一般に通信制大学とも呼ばれます。文部科学省に認可された正規の大学で、卒業すれば学士の学位がもらえます。

私立大学通信教育協会によると、通信大学には筆記の入学試験はなく、原則として書類選考です。大学によっては志望理由書を出します。

日本大学通信教育部も、入学試験について「ありません。書類選考により入学できます」と案内しています。

だから「入るのは簡単」という声が出るんですね。

段階通信大学の決まり簡単かどうか
入学筆記試験なし・原則書類選考簡単と言える
在学中教材で学びレポートと試験で単位を取る自分で進める力が要る
卒業124単位以上。うち30単位以上は面接授業かメディア授業通学の大学と同じ単位数
在籍期間最短4年。最長は学則で決まる時間はあるが、だらけやすい

卒業の重さは通学の大学と同じ

大学通信教育設置基準では、卒業の要件は大学設置基準と同じ124単位以上の修得と決められています。

そのうち30単位以上は、面接授業(スクーリング)かメディアを利用した授業で取ります。30単位のうち10単位までは、放送授業の単位で代えることもできます。

つまり、通信だから卒業に必要な量が少ない、ということはないんです。

学んでいる人の数も多い

令和7年度の学校基本調査によると、大学の通信教育の学部で正規の課程に在籍している学生は190,904人でした。科目等履修生などを含めた大学全体の学生は226,858人です。

これだけ多くの人が、同じ124単位という条件で学んでいます。特別な人だけが卒業できる場所、というわけではないんですね。

卒業が難しいと言われる理由は「ひとりで進める仕組み」

『勉強そのものが難しいの?』と不安になりますよね。

実は、つまずく理由の多くは中身ではなく、学び方の仕組みにあります。協会の説明では、印刷教材などによる授業が卒業までの学習の約4分の3を占めます。

教材を読んで、レポートを書いて、試験を受ける。この流れを、決まった時間割なしに自分で回していくのが通信大学なんです。

通学の大学
  • 時間割があり、授業に出れば進む
  • 同級生と顔を合わせて刺激を受ける
  • 試験の時期が決まっていて準備しやすい
通信大学
  • 時間割がなく、いつ学ぶかを自分で決める
  • 周りに同じ立場の人が見えにくい
  • レポートの提出時期も自分で組み立てる

1単位の重さを知っておく

設置基準では、1単位は45時間の学修を標準としています。授業の方法によって、15〜45時間の範囲で大学が定める時間の授業で1単位になります。

レポートや試験の準備にかける時間も、この学修の中に入ります。1科目2単位なら、標準では90時間分の学修という計算になります。

数字で見ると、なぜ「意外と大変」と言われるのかが見えてきますよね。

働きながら学ぶ人が多い

文部科学省の資料によると、通信教育の学部の学生のうち有職者は48.3%です。年齢は18〜22歳が19%で、30代から50代も多く、60歳以上も15%います。

仕事や家事と並べて学ぶ人が多いので、時間の確保がいちばんの壁になりやすいんです。

在籍できる期間には上限がある

協会のFAQでは、在籍期間の最長は大学で8年から12年としています。例えば放送大学の全科履修生は最長10年です。のんびり進めすぎると期限が来ることもあるので、志望大学の学則で確かめておきましょう。

卒業までに越える4つの山

つまずく場所はだいたい決まっている

レポート、科目試験、スクーリング、卒業前の論文や試験。この4つのどこで止まりやすいかを先に知っておくと、対策が立てやすくなります。

ここでは、ほかの解説とは見方を変えて、どこでつまずきやすいかを段階ごとに並べてみます。

通信大学の卒業までに越える4つの山を、レポート・科目試験・スクーリング・卒業前の審査の順に示した図解

山1 最初のレポート

入学してすぐのレポートで手が止まる、という声はよく聞きます。

『何をどれくらい書けばいいのか分からない』という戸惑いが、最初の壁なんです。

最初のレポートは、完璧を目指さずに出してみることが大事です。添削で返ってくるコメントが、次のレポートの大きな手がかりになります。

最初のレポートで手が止まった時に
  • 課題文の中の「説明しなさい」「論じなさい」などの指示語に線を引く
  • 教材の該当する章を読み、要点を3つほどメモする
  • 大学の手引きにある字数と書式を確かめる
  • まず下書きを最後まで書き切ってから直す

「これで出していいのかな」

「まずは出して、返ってきた講評で直していこう」

こう割り切れると、2本目からはぐっと楽になりますよ。

山2 科目試験

試験の方式は大学によって違います。例えば星槎大学は、科目修得試験がすべてレポート方式で、会場に行く必要はないと案内しています。

会場で受ける試験がある大学では、試験日に合わせて仕事や家の予定を空ける必要があります。

山3 スクーリング

スクーリングは、30単位以上が必要な面接授業やメディア授業のことです。大学によって、オンラインで済むかどうかが違います。

例えば慶應義塾大学の普通課程は、面接授業30単位以上が必要で、E-スクーリングの単位は10単位までしか算入できません。東北福祉大学も、スクーリングを全く受講せずに卒業はできないとしています。

一方、日本大学はメディア授業で取った単位をスクーリング単位として認めていて、通信授業とメディア授業を中心に卒業を目指せるとしています。くわしくはスクーリングの記事で紹介しています。

山4 卒業前の論文や試験

協会によると、卒業直前に卒業論文や総合面接試問などの卒業試験を行う大学が多いそうです。

卒業時期は毎年3月と9月の2回です。論文がある大学では、最後の1年ほどの計画が大事になります。

山止まりやすい理由先に打てる手
最初のレポート書き方が分からない大学の手引きと過去の講評を読む
科目試験日程が合わない試験日を年の初めに予定に入れる
スクーリング休みが取れないオンラインで受けられる科目を調べる
卒業前の論文や試験最後に時間が足りない卒業の1年以上前にテーマを決める

途中で止まりやすい場面のチェックリスト

『自分は続けられるタイプかな』と気になりますよね。

次の項目に当てはまる数が多いほど、早めに手を打っておくと安心です。責める意味ではなく、準備のための目安として見てみてください。

止まりやすい場面のチェック
  • 学ぶ曜日と時間をまだ決めていない
  • 1か月以上レポートを出していない
  • 試験やスクーリングの日程を家族に伝えていない
  • 分からない時に聞く窓口を知らない
  • 卒業までに何単位残っているかをすぐ言えない
  • 卒業したい時期を決めていない

当てはまった時の立て直し方

当てはまる項目があっても、慌てなくて大丈夫です。止まっていたら、まずは1科目だけ選んで、そのレポートを出すことから始めてみましょう。

1つ提出すると、次の科目にも手をつけやすくなるんです。

よくある失敗

最初の学期にたくさんの科目を登録して、どれも中途半端になってしまうことがあります。慣れるまでは少なめに登録して、出し切ることを優先しておきましょう。

「今の科目、何単位残ってるんだっけ」

「学生用のページで確かめてみよう」

こんなふうに、残りの単位を月に1回見る習慣があるだけでも、止まりにくくなりますよ。

家族や職場に先に伝えておく

試験やスクーリングの日は、どうしても家や仕事の予定とぶつかります。学期が始まる前に、日程を家族や職場に伝えておくと、当日に慌てずに済みます。

「この土日はスクーリングなので、家のことをお願いできる?」と早めに頼んでおくだけで、気持ちもずいぶん楽になるはずです。

続けるための週の計画の立て方

時間は「あいた時に」ではなく先に押さえる

通信大学で続く人は、学ぶ時間を先に予定に入れています。週のどこで学ぶかを決めてから、科目の数を決める順番がおすすめです。

学ぶのにかかる時間は、人や科目によって大きく違います。ここでは、計画の立て方の例として計算の形で見てみます。

例えば、平日は残業がある30代の会社員の場合。平日に1日1時間を3日、土日に2時間ずつで、週に7時間を学ぶ時間にするとします。

曜日例すること
月・水・金1時間ずつ教材を読む・メモを取る
土2時間レポートの下書き
日2時間レポートの仕上げ・提出
火・木休み予定が崩れた時の予備日

例として週7時間×4週なら、1か月で28時間です。この時間で何科目進められるかを、最初の学期で試してみるといいですよ。

学期ごとに見直す

最初の計画どおりに進まないのは普通のことです。学期の終わりに、出せたレポートの数と残りの単位を見て、次の学期の科目数を調整してみてください。

計画を立てて見直す手順
  1. 卒業したい時期と残りの単位数を書き出す
  2. 週のうち学べる曜日と時間を決める
  3. 最初の学期は少なめに科目を登録する
  4. 試験とスクーリングの日程を予定表に入れる
  5. 学期の終わりに進み具合を見て科目数を調整する

長く在籍する計画も選べる

大学設置基準には、仕事を持っているなどの事情がある学生が、修業年限を超えて計画的に履修することを大学が認められる、という長期履修の決まりがあります。

制度があるかどうかや条件は大学ごとに違うので、気になる方は志望大学に聞いてみてください。

忙しい週の乗り切り方

仕事の繁忙期や家族の行事で、計画どおりに学べない週はどうしても出てきます。そんな週は、ゼロにしないことだけを目標にしてみてください。

例えば、通勤の電車で教材を10ページだけ読む、寝る前に15分だけレポートのメモを書く。小さくても手を止めないと、翌週に戻りやすくなります。

状況その週の目標の例
残業が続く週教材を少しだけ読み進める
家族の予定が多い週レポートのメモを1つ書く
体調がすぐれない週休んで、翌週の予定だけ立てる
時間に余裕がある週遅れている科目のレポートを出す
平日の1時間と週末の2時間を組み合わせた、週の学習計画の例を示した図解

掲示板(2ch)の書き込みとの付き合い方

『ネットで、通信大学は卒業できないと書かれていた』と不安になった方もいるかもしれません。

掲示板(いわゆる2ちゃんねる、2ch)には、通信大学や大学の評判についての書き込みがたくさんあります。ただ、書いた人の状況や時期は分からないことが多いんです。

書き込みを見る時のポイント
  • いつの話かを見る。制度や授業の方法は改正で変わっている
  • どの大学の話かを見る。スクーリングや試験の方式は大学ごとに違う
  • 書いた人の状況を考える。働きながらか、学ぶ時間がどれくらいあったかで話は変わる
  • 数字や決まりは大学の公式サイトで確かめ直す

例えば、メディア授業やインターネットでの授業提供は、平成13年や令和4年の改正で位置付けが変わってきました。スクーリングのために長く通うしかない、という古い話が、今の大学には当てはまらないこともあります。

迷ったら、大学の窓口や、私立大学通信教育協会が開く合同入学説明会で聞いてみるのが確かです。協会は毎年春と秋に、参加申込不要・入場無料の説明会を開いています。

「本当に働きながら卒業できますか?」

「学生の方は、どんな時間の使い方をしていますか?」

説明会では、こんなふうに率直に聞いてみてください。書き込みよりも、ずっと今の様子に近い答えが返ってくるはずです。

卒業しやすさを比べる時に見ること

「どの大学が簡単か」より、自分の生活で続けやすいかを比べるほうが役に立ちます。

見る点確かめ方
スクーリングをオンラインで受けられるか大学のスクーリングのページ
試験を自宅で受けられるか試験の方式の説明
編入で残りの単位を減らせるか編入学の資格の一覧
学習相談の窓口があるか大学の学生サポートの説明
在籍できる最長の年数学則や募集要項

選び方の全体は通信大学のおすすめの選び方で紹介しています。

卒業についてのよくある相談

ここでは、通信大学の卒業についてよく見かける相談を3つ取り上げます。

相談1 誰でも簡単に卒業できる通信大学はありますか?

誰でも簡単に卒業できる大学、というのはありません。どの大学も卒業には124単位以上が必要だからです。

ただ、続けやすさは大学によって変わります。オンラインだけで卒業を目指せる大学や、試験を自宅で受けられる大学もあるので、自分の生活に合う形を選ぶのが近道です。

公式サイトで、通学せずに卒業を目指せると案内している大学の例を挙げておきます。

大学公式サイトでの案内
大手前大学 通信教育部通学不要で、オンライン授業のみで卒業できる
産業能率大学 通信教育課程通学不要で卒業可能。オンラインスクーリングは年間授業料に含む
帝京大学 通信教育課程スクーリング授業を受講せず、通信学習とオンライン試験のみで卒業が可能
中央大学 法学部通信教育課程東京に一度も行くことなく、住んでいる地域で学びを完結できる

通学しなくていいことと、楽に卒業できることは別の話です。レポートと試験で単位を積み上げる点は、どの大学も同じなんです。

相談2 短大を卒業していると、通信大学は2年で卒業できますか?

短大を卒業している方は、3年次に編入できる大学が多くあります。例えば中央大学の法学部通信教育課程では、短大卒業者などは3年次編入で修業年限は2年です。

協会によると、編入学では在学年数が短くなり、取る単位も軽くなります。ただ、2年で卒業できるかは残りの単位を取り切れるかしだいなので、計画は余裕を持って立てておきましょう。

相談3 ほかの大学で取った単位を活かして、別の通信大学に移れますか?

大学を途中でやめた方は、在学年数と取った単位によって2年次や3年次に入れる大学があります。

例えば法政大学は、1年以上在学かつ30単位以上なら2年次、2年以上在学かつ60単位以上なら3年次としています。認めてもらえる単位は大学ごとに違うので、成績証明書を手元に用意して問い合わせてみてください。

相談の前に用意しておくもの
  • 今までに取った単位がわかる成績証明書
  • 卒業したい時期
  • 1週間に学べるおおよその時間

続けやすい大学かどうかは、資料を並べると見えてきます。気になる大学を2〜3校に絞ったら、スクーリングと試験の方式を資料で比べてみましょう。

通信大学ガイド

気になる通信大学の資料を取り寄せて比べたい方へ

通信大学は、学費の仕組みやスクーリングの有無、取れる資格、入学時期が大学ごとに違います。気になる大学を2〜3校に絞ったら、資料を取り寄せて同じ観点で見比べるのが近道です。資料請求で確かめたい点と、届いた資料の見比べ方をまとめました。

無料通信大学の資料請求で比べる方法を見る

学費・入学時期・募集の有無は年度で変わります。最新の情報は各大学の公式サイトで確認してください。

よくある質問

通信大学の入学試験は難しいですか?

協会によると、通信大学には筆記の入学試験はなく、原則として書類選考です。大学によっては志望理由書を求められます。

通信大学の卒業証書は通学の大学と違いますか?

協会は、卒業すれば通学課程の卒業生と同じ学士の学位になると説明しています。卒業証書に通信教育部と書かれるかは大学によって違い、大半では書かれないそうです。

4年で卒業できなかったらどうなりますか?

在籍期間の上限までは在学を続けられます。協会のFAQでは、最長は大学で8年から12年です。上限は大学の学則で確かめておきましょう。

スクーリングに行けない場合でも卒業できますか?

メディア授業の単位をスクーリングの単位として認める大学では、通学せずに卒業を目指せます。慶應義塾大学のように面接授業が必要な大学もあるので、志望大学の決まりを確かめてみてください。

卒業できる時期はいつですか?

協会によると、卒業時期は毎年3月と9月の2回です。卒業式は3月だけという大学が多いそうです。

勉強から長く離れていても、ついていけますか?

通信大学には、仕事を持ちながら学ぶ人や40代以上の人も多く在籍しています。最初の学期は科目を少なめにして、レポートの書き方に慣れることから始めると無理がありません。

まとめ

この記事の要点
  • 通信大学の入学は筆記試験がなく、原則書類選考なので簡単と言える
  • 卒業には通学の大学と同じ124単位以上が必要で、うち30単位以上は面接授業かメディア授業
  • 難しいと言われる理由は、時間割なしで自分で進める仕組みにある
  • つまずきやすいのはレポート・科目試験・スクーリング・卒業前の審査の4か所
  • 学ぶ時間を先に予定に入れ、学期ごとに科目数を見直すと続けやすい
  • 掲示板の書き込みは時期と大学を確かめ、公式の情報で確かめ直す

働きながら学ぶ時の進め方は社会人・主婦の通信大学、通信大学そのものの仕組みは通信大学とは?で紹介しています。

通信大学ガイド

通信大学ガイド 編集部

通信制大学の仕組み、学費と制度、学部・分野別の大学の探し方、資格の取り方、資料請求から入学までを、働きながら学び直す方の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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